国税庁は7月1日、令和6年分の路線価を発表しました。
路線価は、路線(=道路)に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価額を千円単位で示したもので相続税や贈与税の財産を評価する場合に適用するものです。
路線価の評価時点は毎年1月1日で、国土交通省が毎年3月下旬に発表する公示地価と同じ時点となっています。
本年分の路線価の全国平均は前年比で2.3%の上昇となりました。そのなかでも特に上昇率が多かったのが長野県白馬村(上昇率32.1%)や熊本県菊陽町(同24.0%)です。白馬村ではインバウンド客の増加やそれに伴うホテルなどの開発、菊陽町ではTSMC(半導体工場)の進出が要因となっています。
東海3県では、高山市の「古い町並み」がある上三之町の上昇率が17.8%と高い上昇を示しました。これはコロナ禍で落ち込んだ観光需要が回復していることが主な要因のようです。
名古屋の最高路線価の地点はJR名古屋駅前の名駅通りで、1平方メートルあたりの価額は1,288万円、対前年上昇率は0.6%となりました。

名古屋の最高路線価は、平成28年(2016年)までは大阪に次いで全国3位だったのですが、平成29年(2017年)に横浜に逆転され、現在では400万円強の差がついています。
JR名古屋駅前では、リニア中央新幹線の開業を見据え、2010年代にJRゲートタワーやJPタワー名古屋、大名古屋ビルヂングなど大規模な再開発が相次いだこともあり路線価は大幅に上昇を続けたのですが、現在は再開発が一段落していること、リニア中央新幹線の開業も覚束ないといった理由により上昇率は鈍化しているようです。
名古屋駅周辺では、名古屋鉄道が名鉄名古屋駅の大規模な再開発を予定しており今年度中に詳細が明らかになる予定で、リニア中央新幹線についても、静岡県知事の交代などにより開業に向け少しだけ光明が見えています。また、名古屋駅前のシンボルであった「飛翔」が撤去され、今後歩行者空間が拡大されるなど、名古屋駅周辺は再度大変貌を遂げることになりそうです。
そのとき、名古屋の最高路線価はどのように推移しているのでしょうか。